2.2 全体の処理の流れ

2.2.1 データに着目したコンパイラの処理の流れ

以下の各データは、ソースコードを除き、 int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_compiler.h の記号表(TP_SYMBOL_TABLE 構造体)に格納されます。 トークン列の各要素には、ソースコード上の行と桁が記録されます。

1. ソースコード(UTF-8)

2. トークン列

3. 構文木

4. 中間言語(WebAssembly バイナリ表現)

5. x64 フラット・バイナリ・ファイル(flat binary file)

2.2.2 実際のコンパイラの処理の流れ

1. int_calc_compiler/src/main.c：main 関数 で、 コンパイラ本体(静的ライブラリ)の tp_compiler 関数を呼び出し

2. int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_compiler.c：tp_compiler 関数 が compiler_main 関数を呼び出し

3. compiler_main 関数で、コンパイラの初期化処理 init_symbol_table 関数を呼び出し

2.2.2.1 ソースコードをコンパイルする通常の処理の流れ

1. 字句解析(トークン列を出力)： int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_make_token.c：tp_make_token 関数

2. 構文解析(再帰降下構文解析。構文木を出力)： int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_make_parse_tree.c ：tp_make_parse_tree 関数

3. 意味解析(未定義の変数の参照や、重複する変数の定義をチェックする)： int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_semantic_analysis.c ：tp_semantic_analysis 関数

4. 中間コード生成(WebAssembly バイナリ表現を出力)： int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_make_wasm.c ：tp_make_wasm 関数

5. コード生成(アセンブラを利用せず、機械語を直接出力)： int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_make_x64_code.c ：tp_make_x64_code 関数

2.2.2.2 ソースコードをコンパイルせず、コンパイラに内蔵されたテスト用の WebAssembly 生成処理から処理を開始する場合

1. 中間コード生成： int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_make_wasm.c：tp_make_wasm 関数

2. コード生成： int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_make_x64_code.c：tp_make_x64_code 関数

2.2.3 その他のソースコード・ファイルについて

• WebAssembly で利用する可変長整数の LEB128 関連の関数定義：

  int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_leb128.c
• コード生成の実装詳細部(x64 機械語を生成する主な関数定義)：

  int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_make_x64_code_body.c
• ファイルの読み書きに必要な関数定義：

  int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_file.c
• メッセージ出力やメモリ解放などの関数定義：

  int_calc_compiler/src/lib/tp_compiler/tp_utils.c